口唇の皮ってどこまで剥けるの

ドライヤーで

髪を撫でていた


自分の手を汚したくなかった


どうせなら

斬り落としてしまおうかと思ったが


外は吹雪だった


月明かりも塞ぐほど

分厚い風が


私ごと揺らしてくれる気がした


外へ飛び出して


足を叩いた


首元を狙う冷たい何かが


思い切り

振りかぶってきた





冬は寒いから髪が欲しいね。

そんな話がしたかった。